北鎌倉散策コース
北鎌倉駅から円覚寺、明月院、建長寺、円応寺、浄智寺、東慶寺などの寺をめぐる周回コースです。 円覚寺、建長寺は広大、明月院、東慶寺は花の名所と、すべてを回るのは大変なので、3つくらいに絞ってゆっくり散策するのがよいです。
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円覚寺 |
◇コースタイム
北鎌倉駅(3分)円覚寺(10分)明月院(10分)建長寺(5分)円応寺(10分)浄智寺(10分)東慶寺(5分)北鎌倉駅
北鎌倉駅(3分)円覚寺(10分)明月院(10分)建長寺(5分)円応寺(10分)浄智寺(10分)東慶寺(5分)北鎌倉駅
目次 1. 北鎌倉駅から円覚寺へ 2. 円覚寺から明月院へ 3. 明月院から建長寺へ 4. 建長寺から円応寺、長寿寺へ 5. 長寿寺から浄智寺へ 6. 浄智寺から東慶寺、北鎌倉駅へ |
北鎌倉駅から円覚寺へ
北鎌倉駅から鎌倉駅方面へ向かって線路の左側を歩いていきます。 北鎌倉駅を出るとすぐ、1282年に八代執権・北条時宗が建立した鎌倉五山第2位の円覚寺です。 円覚寺の寺域は国指定史跡になっていて、新緑や紅葉の名所です。総門をくぐって石段を上っていくと、楼上に十一面観音像、十六羅漢像が安置されている山門で、1785年(天明5年)に再建されました。 山門をくぐると本尊である宝冠釈迦如来坐像が安置されている仏殿、左は茅葺き屋根の選仏場です。 円覚寺境内の中心に方丈があり、庭園には百観音が安置され、鎌倉市天然記念物であるビャクシンの老木があります。
![]() 総門 |
![]() 三門 |
![]() 仏殿 |
![]() 選仏場 |
方丈の左前方に夢窓疎石の築造といわれる妙香池があり、名勝に指定されています。対岸には虎頭岩といわれる岩が見えます。 夢窓疎石は鎌倉時代から室町時代にかけての禅僧で、作庭の才に優れ、京都の天龍寺、等持院、西芳寺なども開きました。 妙香池の奥には無学祖元の塔所である正続院があり、境内に開山堂や国宝の舎利殿などがあります。 無学祖元は栄の禅僧で、北条時宗の招きで渡来し、建長寺5世住持となり後に円覚寺を開きました。 仏舎利(釈迦の遺骨)が祀られている舎利殿は、日本最古の唐様建築で国宝に指定され、ゴールデンウィークや正月などに特別公開されます。
![]() 方丈の庭園 |
![]() 妙香池 |
![]() 正続院 |
![]() 舎利殿 |
妙香池から境内を奥へ行くと、左側が1284年(弘安7年)に没した北条時宗の廟所である仏日庵で、時宗、貞時、高時の像が安置されています。 また、川端康成の千羽鶴など、文学作品の舞台にもなっています。 仏日庵から少し坂を上がると右側に白鹿洞があり、この洞から白鹿の群れが現れて説法を聴聞したということから、山号が瑞鹿山になったそうです。 さらに石段を上ると境内最奥が夢窓疎石の塔所である黄梅院です。 仏殿へ戻り、東側の長い石段を上がると、弁天堂と鐘楼があります。 鐘楼に吊るされている洪鐘(おおがね)は、1301年(正安3年)に鋳造され、高さ259.5cm、口径142cmで鎌倉最大。 建長寺、常楽寺とともに鎌倉三名鐘の一つで国宝に指定されています。
![]() 仏日庵 |
![]() 黄梅院 |
![]() 国宝の洪鐘 |
![]() 富士山 |
三門の西には松嶺院や桂昌庵があり、拝観することができます。 松嶺院は牡丹や萩で知られ、牡丹の見頃は4月20日前後の2週間と表示されています。 総門すぐそばの桂昌庵には閻魔大王など十王像などが安置されています。 桂昌庵と松嶺院の間の道を登っていくと、白雲庵や雲頂庵などの塔頭があり、拝観はできませんが道から富士山が見えます。
![]() 松嶺院 |
![]() 松嶺院から見た三門 |
![]() 桂昌庵 |
![]() 白雲庵から見た富士山 |
円覚寺から明月院へ
円覚寺から線路沿いを400mほど歩き、左折して明月川沿いを300mほど歩いていけば明月院です。 明月院は境内全域が国指定の史跡になっていて、約2500株のアジサイなど年間を通じて季節の花が絶えません。境内には約2500株のアジサイが咲き、アジサイ寺として親しまれています。 シーズン中はたいへんな人出で、開門前には長い行列ができます。 明月院に入ると、淡いブルーのヒメアジサイで埋め尽くされた参道を上がって山門をくぐります。 山門をくぐると紫陽殿と呼ばれる本堂で、向かいが枯山水庭園です。 アジサイの時期と紅葉の時期には後庭園が特別公開されます。
![]() 明月院 |
![]() アジサイの参道 |
![]() 本堂 |
![]() 丸窓からの風景 |
本堂の左には茅葺きの開山堂、明月院やぐら、瓶の井があります。 明月院やぐらは鎌倉市現存の最大級で、関東管領上杉憲方の墓といわれる宝篋印塔が安置されています。 壁面には釈迦、多宝如来とその両側に十六羅漢像が彫られています。 鎌倉十井の一つである瓶の井は、内部が水瓶のようにふくれているのが名の由来です。 境内を散策し、総門まで戻ると右側には、茶室・月笑軒、北条時頼の墓といわれる宝篋印塔が立っています。
![]() 枯山水庭園と枝垂桜 |
![]() 開山堂 |
![]() 明月院やぐら |
![]() 瓶の井 |
明月院から建長寺へ
明月院から線路沿いの道に戻ると、すぐ先で鎌倉街道に出て、500mほど歩くと1253年に五代執権・北条時頼が建立した建長寺です。 建長寺は鎌倉五山第一位で、鎌倉屈指の桜の名所です。巨福門とも呼ばれる総門を入り、高さ約30mの三門をくぐります。 三門の楼上には五百羅漢が安置され、その下を通った人の心が清浄になることを祈念しているそうです。 三門の右には茅葺き屋根の鐘楼に、1255年(建長7年)に鋳造された梵鐘があり、高さは208.8cm、口径124.3cmで国宝に指定されています。 創建時から残るビャクシンの巨木を見ると、1647年(天保4年)に芝増上寺から移築された仏殿で、本尊の地蔵菩薩坐像が安置されています。
![]() 総門 |
![]() 三門 |
![]() 国宝の梵鐘 |
![]() ビャクシン |
仏殿の奥には国重要文化財で天井に雲龍図が描かれた法堂と、唐門、方丈(竜王殿)などが建っています。 龍は水に縁があり、天井に描くことで修行僧に教えである法の雨を降らせると考えられていたそうです。 法堂は1814年(文化11年)に再建され、関東最大の木造建築です。 方丈の奥に、蘭渓道隆が考案したという心字池を配した日本最古の禅庭園があり、名勝に指定されています。
![]() 仏殿 |
![]() 法堂 |
![]() 唐門 |
![]() 庭園 |
方丈から半僧坊道を歩いていき、鳥居をくぐると、石段が続きます。この辺りは紅葉が美しいです。 天狗像が並んでいる石段を登ると半僧坊大権現で、長寿や金運にご利益があり、相模湾見晴台や富士見台があり、眺望がよいです。 半僧坊大権現の祈祷受付所奥に天園ハイキングコース入口があり、急な階段を5分ほど登れば、標高145mの勝上献(しょうじょうけん)です。 勝上献には展望台があり、建長寺境内や相模湾、天気がよければ富士山も見えます。
![]() 半僧坊道の紅葉 |
![]() 半僧坊大権現 |
![]() 勝上献から見た境内 |
![]() 富士山 |
建長寺は桜の名所として知られ、特に参道のソメイヨシノは見事で三門を隠れてしまします。
![]() 参道の桜 |
![]() 三門と桜 |
![]() 半僧坊への道 |
![]() 勝上献からの眺め |
建長寺から円応寺、長寿寺へ
建長寺から鎌倉街道を上がっていくと、巨福呂坂洞門の手前に十王を祀っている円応寺があります。 本堂前に2本あるキンモクセイの大木で知られています。 運慶作と伝えられている本尊の閻魔大王像は国重要文化財で、周囲には十王像が安置されています。 表情がにこやかなのは笑いながら彫ったためと言われ、子供を山賊から守ったことから子育て閻魔とも呼ばれています。 境内には茅葺きの鐘楼や小さな庭があり、ここにもキンモクセイがあります。
![]() 円応寺 |
![]() ハギ |
![]() 本堂とキンモクセイ |
![]() キンモクセイ |
円応寺からは鎌倉街道を北鎌倉駅方面へ戻って300mほど行くと、亀ヶ谷切通の脇が1336年に足利尊氏が創建した長寿寺です。 鎌倉街道と亀ガ谷坂の合流点に位置し、石段を上がると茅葺きの山門です。 順路にしたがって本堂、書院、小方丈を見学しますが、拝観日は季節・曜日が限定されています。 山門をくぐると平成19年に完成した本堂で、本尊の釈迦如来が安置されています。 以前の本堂だった茅葺きの観音堂には、聖観音像が安置されています。
![]() 山門 |
![]() 本堂 |
![]() 書院から見た風景 |
![]() 観音堂 |
裏山のやぐらには足利尊氏の墓と伝えられる五輪塔があり、遺髪が埋葬されているそうです。 本堂背後の庭園にはウメ、シャガ、ツツジなどが咲きます。
![]() 五輪塔 |
![]() 庭園 |
![]() 亀ガ谷坂のハギ |
![]() 鎌倉街道の紅葉 |
長寿寺から浄智寺へ
長寿寺から鎌倉街道を400mほど歩くと、踏切の手前に、けんちん汁が看板メニューの鎌倉五山があります。 踏切を渡り、明月院バス停を左折すれば鎌倉五山第4位の浄智寺です。 浄智寺の境内は国指定史跡で、深い緑に覆われています。総門手前の石橋の左に、鎌倉十井の一つである甘露ノ井があります。 鎌倉では、海の近くでは塩分、山では鉄分の多い水しか出なかったため、甘露ノ井は良質の水が出る貴重な井戸でした。 苔むした石段の参道を上がると、上に鐘楼がある山門(鐘楼門)です。 山門をくぐると雲華殿と呼ばれる本堂があり、本尊は阿弥陀、釈迦、弥勒如来の三世仏坐像で、過去・現在・未来を表しています。
![]() 総門と甘露ノ井 |
![]() 石段の参道 |
![]() 鐘楼門 |
![]() 本堂 |
境内には市指定天然記念物のコウヤマキ、ビャクシン、タチヒガンなどあり、コウヤマキは鎌倉一の大きさだそうです。 茅葺きの書院の庭には、シュウメイギクやシオンなどの草花が咲きます。 山腹に広がるやぐらや墓地にを見ながら境内を歩き、最後にトンネルを抜けると洞窟に鎌倉江の島七福神の布袋尊(家庭円満の神様)が祀られています。
![]() 書院 |
![]() コウヤマキ |
![]() 布袋尊 |
![]() やぐら |
冬から春にかけてはロウバイ、梅、ミツマタ、桜などが花をつけます。
![]() 梅 |
![]() ミツマタ |
![]() 桜 |
![]() タチヒガン |
浄智寺から東慶寺、北鎌倉駅へ
浄智寺から鎌倉街道に戻り、150mほどで駆込寺、縁切寺として知られる東慶寺です。 東慶寺はハナショウブやコスモスなど花の寺としても親しまれています。石段を登って萱葺きの小さな山門をくぐると、左に萱葺きの鐘楼があります。 春には梅、初夏にはアジサイが咲き誇る参道を歩いていくと、金仏の背後にハナショウブの畑が広がっています。 菖蒲畑の右手には本堂や宝物館があり、本堂には釈迦如来坐像が祀られています。
![]() 山門 |
![]() 参道の梅 |
![]() 金仏 |
![]() 本堂 |
坂を上がっていけば、文士など著名人が眠る墓苑が広がっていて、初夏には岩壁にイワタバコが咲いています。 秋には紅白のコスモス、ヒガンバナ、シュウメイギク、キンモクセイなどが咲きます。 東慶寺から鎌倉街道を200mほど歩けば北鎌倉駅に戻ってきます。
![]() アジサイ |
![]() ハナショウブ |
![]() イワタバコ |
![]() イワガラミ |
鎌倉観光コース | |
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