鎌倉杉本寺から報国寺・浄妙寺へ
杉本寺、報国寺、浄妙寺、明王院、光触寺、十二所神社など、春は桜が咲き誇る金沢街道に沿って散策するコース。一条恵観山荘は紫陽花や紅葉の隠れた名所。金沢街道はバス通りなので、徒歩とバスを織り交ぜて散策することができます。
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報国寺の紅葉 |
◆コースタイム
鎌倉駅(バス10分)杉本寺(5分)報国寺(5分)浄妙寺(5分)一条恵観山荘(10分)明王院(10分)光触寺(10分)十二所神社(バス15分)鎌倉駅
目次 1. 鎌倉駅から杉本寺へ 2. 杉本寺から報国寺へ 3. 報国寺から浄妙寺へ 4. 浄妙寺から一条恵観山荘へ 5. 一条恵観山荘から明王院、光触寺へ |
鎌倉駅から杉本寺へ
鎌倉駅東口から金沢八景駅方面へのバスに乗り、10分ほどの杉本観音で下車します。 バス停の左側が734年に開山された鎌倉最古の寺である杉本寺です。 「十一面杉本観音」と書かれたのぼりが林立する石段を上っていくと、朱色の金剛力士像が置かれた仁王門をくぐります。 摩耗して今は歩くことができない苔むした古い石段を迂回し、新しい石段を上がると萱葺きの本堂です。
![]() 杉本観音バス停 |
![]() 杉本寺の参道 |
![]() 仁王門 |
![]() 苔むした石段 |
本堂には十一面観音像が三体安置され、二体は国の重要文化財、うち一体は行基の作とされています。 萱葺きの本堂が建つ境内には、地蔵尊、五輪塔群、鐘楼、権現堂などがあります。 境内には梅やサザンカが咲きます。
![]() 杉本寺 |
![]() 地蔵尊と五輪塔群 |
![]() 仁王門と枝垂れ梅 |
杉本寺から報国寺へ
杉本寺から滑川沿いを200mほど歩き、報国寺入口交差点を右折、華ノ橋を渡って住宅街を行けば報国寺です。 報国寺は鎌倉幕府が滅んだ1年後の1334年(建武元年)に足利尊氏の祖父である足利家時が創建。 足利氏、上杉氏の菩提寺として栄えました。2000本を超えるという孟宗竹の竹林が有名で竹の寺と呼ばれています。 山門をくぐって石段を上がっていくと、本堂と萱葺きの鐘楼が見えてきます。 本堂右に客殿、本堂奥に名高い竹の庭があります。 境内には桜や梅の木があります。
![]() 報国寺の山門 |
![]() 本堂 |
![]() 報国寺の桜 |
竹の庭には、六体の石仏や石灯篭、茶席があり、石仏には、宝永、元禄、享保など年月日が刻まれています。 本堂の背後に庭園があり、境内最奥のやぐらには足利家時と、室町幕府との戦いで敗れこの寺で自刃した足利義久(足利持氏の長男)の墓があります。 崖崩れの恐れがあり近づくことはできません。
報国寺を少し先には、昭和4年に華頂博信侯爵邸として建てられた木造洋館が建つ旧華頂宮邸で、国の登録有形文化財です。 南側にはバラやアジサイが美しいフランス式庭園が広がります。テレビドラマのロケ地として見ることもあります。
![]() 竹の庭 |
![]() 石仏 |
![]() 庭園 |
![]() 旧華頂宮邸 |
報国寺から浄妙寺へ
報国寺から金沢街道に戻って100mほど歩いて左の小道に入れば、1188年(文治4年)に源頼朝の重臣・足利義兼が建立した鎌倉五山第5位の寺で、境内全域が国の指定史跡です。 かつては七堂伽藍と23の塔頭があった大寺院だったといいます。 山門をくぐると本堂で、大寺の面影をとどめています。参道には梅が植えられ、紅白の花を咲かせます。 本堂裏には足利尊氏の父・貞氏の墓である宝篋印塔があります。 本堂の左には、平成3年に復興した枯山水庭園の喜泉庵があります。1500年代には僧が一同に茶を喫したそうです。
![]() 浄妙寺の参道 |
![]() 本堂 |
![]() 参道の梅 |
![]() 枯山水庭園 |
喜泉庵から山腹を登っていくと、衣張山を一望できる散策路や、1922年(大正11年)に建てられた洋館が使われている石窯ガーデンテラスがあります。 藤原鎌足が鹿島神宮に参拝した際、浄妙寺の山に鎌を納めたというのが、鎌倉の地名の由来になったとされています。 浄妙寺の参道は、春は桜で包まれます。
![]() 足利貞氏の墓 |
![]() 石窯ガーデンテラス |
![]() 衣張山 |
![]() 鎌足稲荷神社 |
浄妙寺から一条恵観山荘へ
浄妙寺から金沢街道に戻ると、100mほど先に一条恵観山荘が建っていて、紫陽花や紅葉の隠れた穴場と言えます。 京都西賀茂にあった皇族の別邸を昭和34年に移築、滑川のせせらぎが心地よいです。 花手水など紫陽花で彩られた庭内には茶屋もあります。
![]() 一条恵観山荘 |
![]() 花手水 |
![]() 小川 |
![]() 赤い傘 |
一条恵観山荘から明王院、光触寺へ
一条恵観山荘から500mほど歩いて泉水橋バス停先から左の小道を行けば、茅葺き屋根の本堂に五大明王が祀られている明王院です。 1235年(嘉禎元年)に鎌倉幕府四代将軍として京都から迎えられた藤原頼経が、政所から見て鬼門の方位である十二所に建立しました。 不動、降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉の五大明王が祀られています。境内は写真撮影禁止です。明王院の参道も桜が咲きます。 明王院から金沢街道に戻って東へ進むと、赤石橋からハイランドさくら道が分かれています。
![]() 明王院の参道 |
![]() 明王院 |
![]() ハイランドさくら道 |
![]() 滑川沿いの桜 |
滑川沿いの大江廣元邸址の桜並木をすぎると十二所バス停で、右の小道を行けば1279年に一遍上人が創建した光触寺です。 山門をくぐると石仏が並び、本堂の前に一遍上人像や塩嘗地蔵があります。 朝比奈峠を越えて売りに来る六浦の塩売りが塩を供えると、いつも帰りは無くなっていたことが塩嘗地蔵の名の由来です。 本尊の阿弥陀三尊像は、阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩で、阿弥陀如来は盗みの疑いをかけられた法師の身代わりに、頬に焼印が付いたという伝説があります。 桜、ツツジ、シャクナゲ、フジ、ハナショウブなど、季節の花が境内を彩ります。光触寺周辺の滑川沿いの大江廣元邸址に桜並木があります。 光触寺から滑川沿いを上流へ300mほど行けば十二所神社バス停、左の小道へ入れば1278年創建の十二所神社です。 十二所神社は1278年(弘安元年)に創建。もとは光触寺境内にあったが1838年(天保9年)に現在の地へ移され、天神七柱、地神五柱を祭ることからこの名になりました。 石段を上がり鳥居をくぐると、社殿、銀杏の大木があります。 この先、鎌倉七切通しの一つ、朝比奈切通しへの道があります。
![]() 光触寺の参道 |
![]() 光触寺 |
![]() 塩嘗地蔵 |
![]() 十二所神社 |
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