鎌倉の紫陽花と梅雨の花 🌺


鎌倉は紫陽花がよく似合う。 鎌倉には紫陽花の名所が3つあったのだが、そのうち、成就院は数年前に大規模に植え替えられ、以前の写真下とは別のようになってしまった。 108段の石段の参道が262株のアジサイで埋め尽くされ、由比ガ浜が見える絶景であったのだが…。
残る2つが、長谷寺と北鎌倉の明月院だ。 ともに約2500株の紫陽花が咲き誇る人気の寺である。 紫陽花と6月の梅雨に咲く花を目的に鎌倉を訪れてみたい。


紫陽花の2つの名所は開門前から行列ができ、日中は混雑するので、どちらか一方を最初に訪れるのがベストだろう。 まずは北鎌倉の明月院、次いで近くの東慶寺を散策してみよう。 JR横須賀線の北鎌倉駅から線路沿いを南へ500mほど歩き、左折して明月川沿いを300mほど行けば明月院である。 山の斜面に建つ寺で、境内全体が国の史跡に指定され、梅雨に煙る時期は厳かな雰囲気が漂う。 開門時間は8時30分、10分くらい前に着くとすでに30人ほどが行列をなして並んでいる。


少し待たされて境内に入ると、本堂への石段の参道を覆うように両脇に紫陽花が咲いており、ここが一番の撮影スポットだ。 淡い青色のヒメアジサイで埋め尽くされているが、ところどころ淡く赤いのも混じっている。 パステルカラーの季節に恋した♪…。 暗黙の了解なのか、石段から人がいなくなるのを待って、みんなで一斉に写真を撮る、撮影タイムがある。 この写真も”撮影タイム”に撮ったものだ。 写真を撮り終わったら、石段を上がって山門をくぐり本堂へ向かう。


山門をくぐると紫陽殿と呼ばれる本堂が建ち、向かいにはサツキが咲いている枯山水庭園があり、紫陽花の時期は本堂丸窓から見える後庭園が特別公開される。 本堂の左には茅葺きの開山堂、明月院やぐら、瓶の井などの史跡、右には竹林があって涼しげだ。 新緑に包まれて、月笑軒という茶室でゆっくり休憩するのもよいだろう。 次は東慶寺へ行ってみよう。


明月院から線路沿いまで戻り、踏切を渡って北鎌倉駅方面へバス通りを5分ほど歩くと東慶寺に着く。 1285年(弘安8年)に八代執権・北条時宗の妻である覚山尼が開山、明治時代まで駆込寺、縁切寺として不幸な女性たちを救ってきた尼寺だったという。


石段を登って萱葺きの小さな山門をくぐる。 アジサイが咲く参道を歩いていくと、金仏(写真上)の背後にハナショウブの畑が広がっていて、紫の花で覆われている。 梅雨の時期には紫の花がよく似合う。


菖蒲畑の前には本堂や宝物館があり、さらに坂を上がって奥へ進めば、文士など著名人が眠る墓苑で、岩壁に張りつくようにイワタバコが咲いている。 イワタバコの花は、鮮やかな紫色の星型をしていて、葉がタバコの葉に似ているのが名の由来だ。


また、イワガラミという珍しい白い花も咲いている。 これは寺の人が教えてくれた。 立入れないところに咲いているので、遠くから写真を撮るだけである。


北鎌倉駅に戻り、電車に乗って鎌倉駅へ向かう。 鎌倉駅には数分で着き、江ノ電に乗り継いで長谷へ向かうが、時間があれば鶴岡八幡宮を参拝したり、小町通りで食事や買い物をするのもよい。 画像は鶴岡八幡宮の花手水。


最後は長谷へ行ってみよう。 江ノ電長谷駅から北へ200mほど歩き、長谷観音交差点を左折すると、736年創建と伝えられる長谷寺だ。


赤い提灯が下がっている山門をくぐると、ハナショウブやスイセンなどが植えられている放生池が広がっている。 順路にしたがって石段を上がり、阿弥陀堂と観音堂を拝観しよう。


阿弥陀堂の本尊は、源頼朝が42歳の厄除けのために建立したといわれる厄除阿弥陀。 観音堂には、高さ9.18mという木像では日本最大級の十一面観音像が安置されていて、その大きさに圧倒される。 が、この時期のメインは、観音堂の左手にある約2500株の紫陽花が咲く眺望散策路だろう。

眺望散策路は、眼下には由比ヶ浜を見渡せ、天気がよければ三浦半島や城ヶ島、伊豆大島も見える立地である。 観光客が多い時間帯は整理券が配られ、かなり待たされるかも知れない。


長谷寺から交差点に戻り、さらに北へ300mほど行けば、鎌倉観光に欠かせない鎌倉大仏の高徳院である。 大仏は1252年に鋳造されて鎌倉唯一の国宝彫刻で、台座を含めた高さは約13.35m、重さは約121t。 建造当初は大仏殿があったが、1495年(明応4年)の津波で流されてしまったという。 正式名称は阿弥陀如来坐像といい、胎内の見学もできる。


長谷駅から藤沢方面行きの江ノ電に乗り、極楽寺、稲村ヶ崎へ足を伸ばすのもよい。 御霊神社前、長谷〜極楽寺間のトンネルは、江ノ電と紫陽花の撮影ポイントである。


極楽寺駅で下車すると、ホームの向かいに茅葺きの極楽寺が建っており、山門前には紫陽花が植えられている。


長谷から極楽寺へはたいした距離ではないので歩くのもよい。 途中には創業300年という力餅屋、紫陽花の数は減ってしまったが成就院が建っている。


極楽寺駅の次が稲村ヶ崎駅。 海へ出れば稲村ジェーンの舞台で、波に乗っているサーファーが多い。 稲村ヶ崎からは、天気がよければ紫陽花越しの富士山が眺められる。 また、夕日の名所なので、その時間帯に合わせるのもよい。



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