金時山のツツジと新緑 🌺


今回はJR御殿場線の足柄駅から金時山へ、周回するコースを歩く。 新緑や標高のあるところに咲く、シロヤシオなどのツツジなどの花もみどころである。


小田急の新松田駅で下車して徒歩数分の御殿場線の松田駅へ。始発列車に乗って35分ほどの6時55分に足柄駅に着く。 2020年に、新国立競技場をデザインした隈研吾さんが設計した駅舎が出迎えてくれるが、事業費が約二億一千万円、何もないところに場違いのようにも思える。 熊に跨った金太郎像に見送られて足柄駅を出発。


踏切を渡るとすぐに道が分かれる。 左右どちらも足柄峠まで90分、金時山まで180分と記されているが、50分ほど登ったところで道は合流する。 左の道は頼光対面の滝や銚子ヶ渕など川沿いのコースで面白いのだが、今回は右の車道を歩く。


車道を登っていくとすぐに嶽之下神社が建っている。 石段を上がると、集落の小さな棚田を見下ろし、向こうに富士山が見える浅間神社だ。 登山の安全を祈願していこう。


神社から急な車道を15分ほど登っていくと県道78号御殿場大井線に出る。 しばらく広い車道を歩くが、車はほとんど走っていないので安心だ。 やがて下りとなり、栗の木沢の唯念名号碑なる小山町の文化財がある。 江戸時代にこの辺りの人々を救ったという唯念上人の筆による石碑らしい。


石碑があるところから、あとはずっと登りで、神奈川県境まで3.0kmの表示板がある。 つまりは足柄峠まで3.0kmである。 5分ほど歩くと、石畳の足柄古道が分かれていて、車道と時間は同じなので、こちらを登っていく。


足柄古道と言っても石畳は入口だけで、あとは単なる登山道だ。 15分ほど登ると車道を横切り、さらに数分で県道365号足柄峠線に出て、傍らに芭蕉句碑と六地蔵などが安置されている。


六地蔵をすぎると尖った山容の金時山が姿を現し、5分も歩けば足柄峠に着く。 足柄駅から90分と記されていたが、所要時間は70分であった。 かつて足柄之関があった峠で、現在は神奈川と静岡の県境になっている。 とにかく富士山の眺めが抜群で、ベンチもあるのでゆっくり休憩していくとよい。


この日は雲が多く、富士山頂が頭を出している程度であったが、初夏にしては良いほうである。


足柄峠から金時山へは1時間30分、しばらくは車道歩きで、何台もの車が私を追い越していく。 と言うのは、1.5kmほど先に駐車スペースがあり、マイカー登山をする人も多い。


車両進入禁止のゲートを越えると、やがて猪鼻砦跡に着き、金時山の山頂が手に取るように近くに見える。 かつて足柄城の南方を守備する砦が築かれていたという。 御殿場市街から見ると、猪の鼻の先端部分に見えるのが名前の由来だ。 ここも富士山の好展望台で、汗をかいた体に風が吹きぬけ、気持ちが良い。


猪鼻砦跡から本格的な登りになり、10分ほど登ると鳥居をくぐる。 冬枯れの頃には山頂を望むことができるが、今は新緑なので見えない。 山頂への荷物用リフトがあり、物資を運ぶのを見ることもあり、自分も運んでもらいたい気分になったりする。


足柄駅の南側である新柴への道が分かれており、帰りはそちらへ下山する予定だ。 道標にはこの時期らしい鯉のぼりが吊るされている。 1年中あるような気もしないでもないが。


こちらの金時山北側の登山道はかなり険しく、急な斜面に鎖やロープ、ハシゴの連続だ。 呼吸がしんどいが、振り返ると富士山や矢倉岳などの眺めが素晴らしい。 また、いろいろな花が咲いているので、下山時に見ることにしよう。


先ほどの分岐から30分ほど登ると、ようやく標高1212mの金時山頂に着いた。 足柄峠からは約70分、しんどかったが割りと早かった。 山頂には金太郎のマサカリのオブジェがあり、雲に隠れそうだがギリギリで富士山が見えている。 時刻は9時40分、昼時は登山者で一杯になる山頂も、まだ疎らなのでゆったりと休憩できる。


20分ほど休んで、登ってきた道を分岐まで戻る。 途中、花が咲いていた箇所をチェックすると、シロヤシオやトウゴクミツバツツジが咲いている。 シロヤシオは愛子さまのお印の純白の花で、葉が5枚からなっているのでゴヨウツツジとも言う。


トウゴクミツバツツジのトウゴクとは関東の意味で、どちらも標高のあるところに咲くという。


鯉のぼりがある分岐から桑木・新柴方面へ下っていく。 足柄駅へは直線的な道である。 下っていくと、遠足の小学生たちが登ってきた。 すれ違うときには、みんな挨拶をするので、百人以上もいるので、返すのがたいへんである。


分岐から45分ほど下って砂防ダムを見ると、すぐ先には金太郎の霊を祭る浅間塚(金時神社跡)がある。


やがてゴルフ場に出ると、足柄駅まで車道歩きだ。 足柄神社や円通寺をすぎると御殿場線を跨ぎ、線路沿いを歩けば足柄駅である。 振り返ると金時山が高く聳えている。




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