ゴールデンウィークの鎌倉花めぐり 🌺


ゴールデンウィークの鎌倉は、観光客で賑やかになる桜の時期がすぎて、少し落ち着いた雰囲気です。 今年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」により、人出が多くなりそうなイメージでしたが、コロナの影響もありそれほどではありません。
鎌倉随一のツツジと言われる安養院から鶴岡八幡宮、長谷寺、西鎌倉の仏行寺へ、花をめぐりながら歩いてみることにします。


まずは名越の安養院に向かいます。鎌倉駅からは南西へ1km、徒歩15分ほど。 若宮大路から本覚寺の境内を抜け、妙本寺の山門を見ると住宅街の小道を歩きます。
途中、ぼたもち寺と呼ばれる常栄寺、八重桜が美しい八雲神社を経て、バス通りに出ると薄紫色のフジが目に飛び込んできますが、ここは足利持氏の大きな供養塔が建つだけの寂れた別願寺です。


大きなフジの木を見るとすぐ隣が安養院、道路沿いの石垣上が濃いピンクに染まっていて目を奪われるでしょう。 拝観しなくても、前を通るだけで十分かも知れませんが、これだけのものを見せられるとやはり中が気になる衝動に駆られてしまいます。


安養院は、1225年に源頼朝の菩提を弔うために北条政子が創建した寺で、寺名は政子の法名。 山門付近のツツジは鎌倉随一と言われ、5月になるとオオムラサキツツジが咲き誇り、ゴールデンウィーク前後が見頃です。


山門をくぐると、日を限って願いごとをすると叶うという日限地蔵が祀られ、その奥には開山した尊観上人のお手植えと伝えられる樹齢700年という鎌倉市天然記念物のマキがあり、根の周辺にはランの仲間という可愛らしいエビネが咲いています。
千手観音菩薩や阿弥陀如来が安置されている本堂を参拝し、ツツジが咲く境内をしばらく散策。


石仏が並ぶ道を通って本堂裏へ行けば2基の宝篋印塔があり、左の小さい方は政子の墓といわれる供養塔、右の大きい方は尊観上人の墓と伝えられ、鎌倉に現存する最古の記銘石塔(1308年)で国重要文化財です。
因みに大河ドラマ・鎌倉殿の13人で政子を演じているのは小池栄子さん。


安養院のツツジを堪能したら、段葛(だんかずら)を歩いて鶴岡八幡宮へ。 段葛とは、源頼朝が妻政子の安産を祈願して造った鶴岡八幡宮への457mの参道。 鎌倉のメインストリートである若宮大路の中央分離帯が段葛の歩道です。
敵の戦意を喪失させるために、参道の距離を長く見せる遠近法が使われ、道幅が徐々に狭くなっています。 段葛は桜で知られますが、葉桜になってもツツジが咲いて華やかです。


鶴岡八幡宮は京都の岩清水八幡宮を勧請して建てられたのが始まりとされます。 境内には八幡さまのお使いと言われるハトが群れ、鎌倉の銘菓は鳩サブレー。
本宮に向かって左に平家池、右に源氏池があります。 平家の象徴は赤旗、源氏は白旗という通り、源氏池に浮ぶ旗上弁財天には、棚からこぼれ落ちんばかりの白フジが咲いています。


石段を上がって本殿を参拝、源氏池の畔のベンチで、優雅に泳ぐ鴨を見ながら休憩するとよいでしょう。 ベンチの上には、薄紫色のフジが春風に揺れていて爽やかです。
鶴岡八幡宮からは、観光客で賑わう小町通りを歩いて、食事や買い物などして鎌倉駅に戻ります。


鎌倉駅からは江ノ電またはバスに乗って長谷寺へ。 所要時間は待ち時間を含めて20分くらいです。


長谷寺は736年創建と伝えられ、長谷観音の名で知られている名刹。 長谷寺の山門をくぐると、放生池の周囲にボタンやツツジ、大手毬やシャクナゲ、海芋など、季節の花が咲いています。


石段を上がって観音堂の十一面観音像を拝観。高さ9m以上、日本最大級の木像に圧倒されます。
観音堂の周辺にはフジ棚があり、強くなってきた日差しを遮ってくれて、薄紫の花が清清しいです。


長谷寺からは海を見下ろすことができるので、初夏には約2500株のアジサイで賑わう眺望散策路を歩くとよいです。 天気がよければ、由比ヶ浜の向こうに三浦半島や城ヶ島などが見えます。


最後は、長谷寺を出て再び藤沢駅方面へのバスに乗り、常盤口で下車して徒歩15分ほどの仏行寺へ向かいます。 高台にある笛田公園を越えていけば、鎌倉の隠れたツツジの名所・仏行寺ですが、道が分かりにくいかも知れないので、地図を見ながらということになるでしょう。


仏行寺は1495年創建。 小さな山門をくぐると、本堂の裏がツツジやスイレンなどの池泉庭園になっています。

山腹がツツジで覆われた池泉庭園は、下から見上げても、上から見下ろしても素晴らしい眺めです。


ツツジに埋め尽くされた石塔が並ぶ山腹の道を登っていけば、直径5mの円形に石を積み、土が盛られている源太塚。 ここからの眺めがよく、大船の街並みや富士山も幽かに見えます。


源太塚には奥州征伐で頼朝を助けた梶原景季の右腕が埋められているという伝承があります。 鎌倉殿の13人では、梶原景季の父である梶原景時を中村獅童さんが演じておられ、関係ないですが梶原善という俳優さんも出演されているようですね。 仏行寺の付近には梶原という地名もあります。



ゴールデンウィークの時期は、北鎌倉の円覚寺で国宝の舎利殿が特別公開されるので、訪れてみるのはいかがですか?


正続院の境内に、開山堂や舎利殿が建っていますが、普段は入ることができません。


舎利殿は鎌倉で唯一の国宝建築。 日本最古の唐様建築で仏舎利(釈迦の遺骨)が祀られています。 ロープが張られて、建物の10mほど手前から見るだけですが、国宝を感じることはできると思います。


舎利殿を後にして、新緑の妙香池や円覚寺境内の最奥に建つ黄梅院などを散策。 妙香池は夢窓疎石の築造と言われ、名勝に指定されています。
はじめに北鎌倉を回って、鎌倉市街へ行くのもよいかも知れません。




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