渡島当別駅からトラピスト修道院へ 🌲


道南いさりび鉄道の渡島当別駅からトラピスト修道院へ続く、ポプラとスギの並木道を以前から歩いてみたいと思っていたので、函館観光の後に行ってみることにした。
東京から北海道へは飛行機で千歳・札幌へ行くのが一般的なので、道南を旅行する機会は少ないかも知れないが、異国情緒漂う函館を中心とした旅もよいと思う。


道南いさりび鉄道は、函館から青函トンネル手前の木古内まで、津軽海峡を見ながら走る路線。 2016年の北海道新幹線の開業により、函館本線と分かれる五稜郭駅から木古内駅までのJR江差線が、第三セクターの道南いさりび鉄道に移管され、新しくスタートしている。
函館15時13分の普通列車に乗ると、高校生の帰宅時間と重なり車内は混んでいて、目的地の渡島当別まで座れなかった。 この路線は観光にも力を入れているが、それは休日のみで、主には函館へ通学する高校生のための路線なのだろう。 函館から12kmほどの上磯までは本数も多いが、その先は半分に減り、日中はあまり走っていない。


新幹線開通前は上野や大阪からの寝台列車が走っていて、青函トンネルを抜けてこの路線に差し掛かると、夜明けの函館湾が見え、はるばる北海道へ来たなあという感覚になったものだった。 上野から北海道に入るまで11時間くらいかかったが、現在は新幹線で4時間、徐々に高まっていく旅情というものはなくなってしまった感じがする。
上磯や茂辺地あたりから海の向こうに函館山が見えるようになり、渡島当別には15時46分着。 函館山は、山容が牛が寝そべる姿に似ているので、臥牛山とも呼ばれている。

※無料画像を使用しています

時刻表を確認して、函館への帰りは16時52分発の列車に決める。 というよりも、その次が19時21分発では、選択肢はこれだけだ。
散策できるのはちょうど1時間、トラピスト修道院へ行って帰ってくる程度だが、ポプラとスギの並木道を歩くのが目的だからそれでよい。


渡島当別の駅舎は郵便局が併設されたトラピスト風の建物だ。 駅舎内の窓はステンドグラスになっており、キリスト像が安置されている。


駅前の案内板にはトラピスト修道院への地図があるのだが、描かれている「ずーしーほっきー」という北斗市の「ゆるキャラ」は気持ち悪い。 ホッキ貝の寿司をゆるキャラにしたそうだが、もう一度言うが気持ち悪い。食欲もなくなりそうだ。
因みに、悪口を言っているのではなく、気持ち悪さを売りにしているらしい。


渡島当別駅からトラピスト修道院へは約1.5km。 歩き始めるとすぐに津軽海峡を望む海沿いの国道に出る。 空気が澄んでいれば、下北半島や津軽半島が見えるのだろう。
すぐに踏切を渡って右カーブを緩やかに登っていくと、長い直線のはるか向こうにトラピストの建物が見える。 1kmはありそうだ。


トラピスト修道院へ続く道は、ポプラとスギの並木で、緑地保護地区になっている。 緩やかな坂道が延々と続き、ずっと同じ場所を歩いているような錯覚に陥るが、修道院が見えてから10分ほど歩くと、ようやく入口に着いた。


入口の建物上部にはキリスト像が安置されている。 壁に貼られた説明を読むと、トラピスト男子修道院は明治29年にフランスから数名の修道士が来日して設立されたそうである。


見学時間外で門は閉まっていたが、中の建物には聖母マリア像が安置され、厳かな雰囲気だった。

因みにここは女人禁制で、灯台の聖母トラピスト大修道院と呼ばれている。
下の売店ではトラピストクッキーやバターなどが売られており、北海道の土産としても人気だ。


列車の時間が迫ってきたので渡島当別駅へ引き返す。 再び長い直線道路を歩き、海に出ると写真を撮る準備をしている人たちがいる。 何を撮るのか尋ねてみると、この日はスーパームーンで、函館山と満月の写真を撮るとのことだった。


渡島当別駅に戻ってくると日が暮れてきた。 16時52分発の列車に乗ると、若い人がそこそこ乗っていて、函館市街へ遊びに行くようだ。 漁火なのか函館の灯りを見ながら列車に揺られると、北斗星で北海道に来たときの光景がよみがえる。


函館駅には17時33分に到着。 函館山の夜景を見に行こうかとも思ったが、この時間からでは少し遅いようなのでまた次にしたい。 夕食にホッキ貝の寿司だけは食べる気にはなれなかった。




旅行記
拙い文章ですが、お読みいただければ幸いです。
🌃函館元町の教会群と百万ドルの夜景
🌲渡島当別駅からトラピスト修道院へ
🐎日高本線で様似・襟裳岬へ
🌊釧路から本土最東端の納沙布岬へ


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